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中野 雅子
産業カウンセラー

埼玉県出身
法政大学法学部卒業
高卒認定(旧・大検)予備校講師、外資系企業での営業事務等を経験。1999年から心理学とカウンセリングを学び始める。
現在、埼玉県川口市の就職支援コーナー求職相談員、カウンセリング勉強会「すずらん」代表



◆取材雑記◆
「この年齢にしてはいろいろな経験をしています」という中野雅子さんのお話しは、記事に納めきれないほどの豊富さでした。なかでも印象的だったのは、OLを辞めて認知症のお祖母様を引き取り10年間介護したこと。相手の話しに辛抱強く耳を傾ける訓練になり、カウンセラーとしてもっとも鍛えられた時期たったとか。皮肉にも入院生活で衰弱してしまったお祖母様も健康を取り戻して認知症にも改善が見られ、会話の効果を実感したということです。それにしても皆さん、アメリカでカウンセリングを受けていたなんて、ちょっとカッコイイと思いませんか !?



心映す鏡となって力引き出す
  カウンセラーになろうと思ったきっかけは
予備校講師時代にクラス担任を務めたことがそもそもの始まりでした。高卒認定のための予備校で、高校に進学しなかった、中退したなど、何らかの挫折を経験した生徒が多く、彼らのメンタル面をケアするには、勉強を教える何倍もの時間が必要でした。欠席した生徒に電話をしたり、自宅を訪問したりして一人一人とじっくり語り合うなかで、人はそれぞれにいろいろな思いを抱えているのだなとわかりました。
自分が関わったことでその人が一歩前へ進めるようになるのはうれしいことだと思い、心に関わる仕事に興味を覚えました。
実際にカウンセリングを身近に感じたのは、1997年、アメリカに住んでいたとき。現地の友人に悩みを打ち明けたら、「なぜ専門家を訪ねないのか」と不思議そうに言われました。心の相談はカウンセラーに、というのがすでにアメリカでは一般的で、それは身体の具合が悪ければ病院へ、法律問題は弁護士などのところへ相談に行くのと同じことでは、という考えです。友人・家族以外の第三者だからこそ話せる、という場合はあるでしょうし、有料の相談ということでお互いに責任も発生するので、問題解決への効果が高いと感じました。日本でもカウンセリングが当たり前になったらいいなと思い、帰国後、勉強を始めました。講師時代に受け持った生徒が自殺未遂を起こしたときに感じた、中途半端ではなく専門的に勉強しなければいけない、守れる命は守りたいという思いも後押ししました。


  現在、主にどのような活動をしていますか
埼玉県川口市にある「川口若者ゆめワーク」の中の就職支援コーナーでカウンセリングをしています。
ハローワークと県、市の取り組みで若年者の就職を支援することが主な役割の機関ですが、支援コーナーはすべての年代の方を対象に就職以外の相談も受けています。今後はコミュニケーションスキル向上のためのセミナーも行います。特に若い相談者に人とのコミュニケーションが不安だと訴える声がとても多いので「話す・聴く」コツ、どうすれば相手から受け入れられるのか、などを体験してもらえるワーク中心のセミナーです。

  現代の日本におけるカウンセリングの必要性についてどう考えますか
必要だと思っています。
古くは近所の住人と井戸端会議をしたり、菩提寺でご住職に話しを聞いてもらったりなどの歴史がありました。しかし人間関係の構成が変わり、家庭でも地域でも、人の話しを聴くゆとりはなかなか持てなくなったように思います。いじめが原因とされる子どもの自殺、サラリーマンや社会進出著しい女性のうつ症状など、増加する心の問題を防ぐためにカウンセリングが助けになるかもしれません。

  あなたが目指すカウンセラー像は
抽象的ですが、目に見えない 「クライエント自身」 というものを正確に映し出すとてもよく磨かれた鏡。人間は誰もが自分の力で立ち上がる力を持っている、というのが私の信条です。鏡を見て課題に気付けば、自ら行動できると信じます。もうひとつは、人との関わりを大事にすることでクライエントへの支援に活かしていけるカウンセラー。カウンセラーがネットワークを拡げれば情報提供が実際的なものになると思うのです。

  今後取り組んでみたいこと、将来の夢
反感を持つ方もいるかもしれませんが、犯罪者のご家族支援が最終的な夢です。
被害を受けた方とそのご家族をケアするリソースはあり、同様の被害を受けた方たちとの結束も図れます。加害者本人には刑を受けたり更正教育を受けたりなどの処置が取られます。ところが罪を犯した人の身内は、マスコミはじめ世の中全体から連帯責任を迫られるかたちとなって、誰かに相談もできず命を落とすこともあるのです。身内の犯罪の責任を取りたいという気持ちもあるのでしょうが、命を大切にして欲しいと思っています。

   カウンセラーを目指している人々にメッセージを
出会いを大切に。本やインターネットでも情報収集はできますが、自分とは違う経験・価値観を持つ生身の人間ほど多くの情報をもたらしてくれるものはないと思います。
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